成年後見制度は、本来は認知症、高齢、精神障害などにより判断能力が不十分な方々を法的に保護し、支援する制度です。
主な内容
- 成年後見人の選任
家庭裁判所が適任者を成年後見人として選任し、本人の財産管理や身上監護を行います。成年後見人は、本人の最善の利益を考慮し、適切な判断と行動を行う責任を持ちます。 - 成年後見人の役割
成年後見人は、本人の財産を適切に管理し、生活の質を向上させるための支援を行います。具体的には、銀行口座の管理や不動産の処分、医療機関との連携など、多岐にわたる業務を担当します。 - 制度の意義
成年後見制度は、本人の権利を守り、安心して生活を送るための支援を提供する重要な制度です。特に、高齢者や障害者が安心して生活を続けるための法的枠組みとして、社会的に重要な役割を果たしています。
制度の種類
- 任意後見制度
本人がまだ判断能力があるうちに、自ら後見人を選任する制度です。任意後見契約を締結し、後見人が本人の意思に基づいた支援を行います。 - 法定後見制度
判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。後見、保佐、補助の三つの類型があります。
利用の流れ
- 申立て
家庭裁判所に成年後見の申立てを行います。申立ては、本人、配偶者、四親等内の親族などが行うことができます。 - 審理と決定
家庭裁判所が審理を行い、成年後見人の選任を決定します。審理には、本人や親族の意見を聴取するプロセスが含まれます。 - 後見開始
成年後見人の選任が確定すると、後見業務が開始されます。成年後見人は、家庭裁判所の監督下で、本人の財産管理や身上監護を行います。
制度の悪用が止まらない現行の制度
ところが、現行の制度だと後見人の力が強すぎること、また士業が後見人として選ばれることで、士業後見人が被後見人の財産を横領する事件が後を経ちません。それに対して、裁判所は全く責任を取らず放置状態です。